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大阪挑戦日記

大阪挑戦日記29

台風で学校がお休みになるのを喜ぶのは、

子どもだけではありません。

重役な位置にいない先生も喜びます。

大会の運営や学校行事の先生にとっては、

悲惨ですが。

まだまだ苦しい状況が続く大阪。

少しでいいので休養が欲しいところですね。

台風、come back!!

 

君たちの体育大会の写真をHPで見ました。

元気な君たちの姿が見られて、

先生は嬉しく思います。

そして、

グループ旗のクオリティの高さに笑いました。

さすがですw

みんな一生懸命に頑張れましたね。

 

さて、今日は「いきりキッズ」の続編です。

結果から先に言うと、

今回は望まない結果に終わってしまいました。

私としてはもう少し時間と策を練って、

懐柔(かいじゅう)させていく経験が欲しかったのですが、、、

過ぎてしまったことは仕方ないので、

とりあえず、ことの顛末(てんまつ)。

登場人物は

A(いきりキッズ)

B(お調子キッズ)

C(くせあるキッズ)

の3人です。

3人とも学力不振、いわゆる勉強ができない子達ですね。

Aは、ヤンキーではありませんが、

友達の輪の中心にいたがる性格です。

輪の中心にいるわけではないと思います。

なんとか輪の中心に自分を置きたくて、

友達をけしかけて誰かを攻撃したり、

喧嘩の話をして強さをアピールしたりする、

いわゆるトラブルメーカーの一人ですね。

Bは、勉強は得意ではありませんが、

お調子者で、気のいい性格をしています。

特に、誰かを攻撃したりしないので、

誰からも好かれる性格をしています。

Cは、攻撃性は低いですが、

性格にくせがあります。

そのせいで、友達付き合いに難があるタイプです。

(攻撃:悪口を言う。いじめともとれるいじり方をする。)

 

この3人はもちろん先生の授業を受けていますが、

先生は、AとBから策を練りました。

材料①

Aはとにかく口を開きます。

配ったプリントには見向きもしないで、

後ろを向いて友達に話しかけます。

先生が注意しても、無視をし続け、

友達に話続けます。

強く注意すると、

「はやく授業進めれば?」

と挑発的かつ反抗的な態度をとってきます。

いわゆる、これが「いきり」というやつですね。

周りの子たちはAに比べると大人なようで、

授業が終わると、

「あいつ、今日もいきってたなぁ」

と言われています。

材料②

いつもAがBに話しかけて、

Bは一向に授業に集中できません。

Bは私の話を聞いている途中で、

Aに話しかけられるので、

結局理解できないまま授業が終わってしまいます。

 

この2つの材料に目をつけた先生は、

「Aは周りからどのように思われているか

 自覚させてあげよう」と思い至りました。

始めに取った策は、極端な席替え

Aを教室の左端、

Bを教室の右端に配置して、

Bには仲のいい友達を周りで固めてあげ、

Aには仲良くない友達で固めてあげました。

授業はたいてい右端にあるスクリーンを使いますので、

Bの為の席配置ですね。

授業になり、席に座らせると、

Aは不満を大声で言っていましたが、

Bとその友達グループは大いに盛り上がりました。

先生はAを無視して、

Bグループの楽しい雰囲気に乗せられるまま、

授業を開始。

でも、Aの不満はおさまらず、

授業が始まっても、

教室の端から、Bの名前を呼び続けます。

Bはグループの友達と盛り上がっているので、

AはまたBにも無視されます。

Aは無視され続けることに苛立(いらだ)ち、

遂に「B、もう絶交しよ?」と言いました。

すると、Bは「おう!A、絶交な!」と返しました。

これにはさすがに周りもクスクスが止まりません。

Aはそれ以降言葉を発することなく、ふて寝しました。

私自身もまさかここまで上手く転がるとは

思っていませんでした。

ちなみに、

AとBは本当に絶交したわけではなく、

次の休み時間にはいつも通り仲良くしていました。

 

それからAは、授業中寝ることが多くなりました。

愛媛にいた時は、授業中の居眠りは許しませんでしたが、

大阪では、眠ったヤンキーといきりは、

人の勉強の邪魔をしないので、起こさないことにしています。

またAは、欠席の人の席に勝手に移動して、

なんとかBに近づこうと頑張っていましたが、

このクラスが始まってからの決まり事、

「真面目にやれば席は自由」が

Aを許しませんでした。

「真面目にやれば席は自由だと言っているだろう。

 やりもしねくせぇに勝手に動いてんじゃねぇよ!」

とかなり強い口調で言っても、

クラスのみんなが共通で持っているルールですから、

Bのグループも「そうだ!そうだ!」と同調して、

Aも納得せざるを得ません。

毎回の授業でそんな攻防を繰り返し、

Aを勉強に向かわせるための次の策を練っている途中でした。

事件は突然に起こります。

 

ある日AとCが殴り合いの喧嘩をしました。

私が見回りに校舎を上がっていると、

逃げるCを追いかけるAを発見。

ギャラリーの多さと妙な雰囲気から、

普通ではないと感じたところに、

AとCが廊下でもみくちゃになりました。

私はとりあえず追いかけていたAを、

引っ張り出し、有形力の行使を発動。

(有形力の行使とは、非常事態時に教師が生徒の肩などをおさえて、一時的に生徒を鎮圧すること。この場合、教師は生徒へ殴る、蹴る、首を絞めるといった暴行をしてはならない。)

Aは普段から私をなめていたため、

中途半端な力でやると逆効果になりかねないと思ったので、

ちょっぴり本気を出しました。

簡単におさえられてしまったAは唖然(あぜん)とした様子。

暴れようと動こうとしても

ビクともしないことが分かってからは、

すぐに大人しくなってしまいました。

 

それからAは私の前では「いきる」ことを止め、

授業中もすごく真面目にやるようになりました。

結果だけ見ると、いいように見えますが、

今回は予期せぬ大失敗です。

私は「力による指導」を求めていません。

「力による指導」は、その指導した者がいる時に限り起こる、

一時的な躾(しつけ)でしかありません。

本質的な問題が見えなくなり、

子どもは見えないところで悪さをすることが多くなります。

それに、私も学生時代に鍛えた分、

まだまだ中学生には負けませんが、

いずれ力ではかなわなくなってくるかもしれません。

力に頼らずとも、上手に転ばせる方法

私は学んでいかなければなりません。

 

今回はかなりいい経験値になると期待していたのですが、

非常に残念な結果に終わってしまいました。

まぁ、この学校には

まだまだ「いきり」や「ヤンキー」がたくさんいるので、

次の挑戦へ頑張ろうと思います。

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